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遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげんさいせいきゅうけん)

遺留分(いりゅうぶん)が侵害されているときは取り戻せる

相続人(相続を受ける人)は、一定割合の財産を相続できる遺留分(いりゅうぶん)(←法律用語で選ぶにリンク)という権利を持っています。遺贈や贈与や遺言で、この一定割合の財産が相続できない状態を「遺留分が侵害されている」といいます。遺留分を侵害されているということは、その分を受け取った人がいるということです。その人に対して侵害された分を取り戻す行為が「遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)」です。

遺留分を請求するには意思表示が必要

1)遺留分は、黙っていてもらえる権利ではありません。権利を持つ人が積極的に請求しなければ取り戻すことはできないのです。遺産をもらいすぎている人に対して、「私には遺留分があるので、返してください」と通知することが必要です。遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)は、このような一方的な意思表示で効力が発生します。相手方には配達証明付内容証明郵便など、相手に届いたという記録が残る方法で通知するのが確実です。

2)相続開始後すぐに正確な金額を計算するのは困難です。遺留分を侵害されていると思ったらまず、「減殺を請求する」という意思表示をして、正確な額はその後の遺産内容の明確化につれて算出すればよいでしょう。

遺留分減殺の例

例: 1000万円の遺贈で300万円が遺留分侵害にあたり減殺請求

すでに相手に遺贈されている場合…

まだ遺贈されていない場合…

遺留分減殺の順序

減殺は遺留分権者が勝手にできるわけではありません。減殺の順序が法律で規定されています。遺贈と贈与があるときは、遺贈を先に減殺し、それでも遺留分を確保できない場合に限り贈与を減殺します。

この権利を行使できるのは相続開始から1年以内

遺留分を請求する権利を行使できるのは、相続開始および減殺すべき贈与や遺贈があったことを知ったときから1年以内です。行使しない場合には、時効で権利が消滅してしまうので注意が必要です。また、それを知らなくても相続開始から10年経過すると、その権利は消滅してしまいます。

相手が請求に応じない場合は

遺留分減殺請求をして相手が返還に応じてくれれば良いのですが、簡単には応じてくれないことが多いのが現状です。このような場合、家庭裁判所で調停、審判ということになります。できるだけもめごとにならないように遺留分減殺請求をしたい方は、一度、弁護士などの専門家に相談してみるとよいでしょう。